表皮の働きの2つめである「水分保持」について説明します。

NMF(天然保湿因子)、リピッド(細胞間脂質)で角質層の水分を保ち、また表面の皮脂膜で潤いをキープします。

肌の水分保持には、角質の水分量と皮脂膜の働きが大切です。

角質の水分量保持

なめらかでうるおいのある肌を保つためには、角質層が常に15%~20%の水分を含んでいることが大切です。

角質層の中のNMF(天然保湿因子)とリピッド(細胞間脂質)が水分をバランスよく含んでいると肌はみずみずしく輝き、しっとりとしていますが、水分が10%以下になると、肌は乾燥してカサカサになったり、肌あれを起こしたりします。

角質層の水分バランスは、NMF(天然保湿因子)とリピッド(細胞間脂質)で保たれている
NMF(天然保湿因子)は、角質細胞の中で、しっかりと水分を捉え、保っているスポンジのような働きをしています。

また、リピッド(細胞間脂質)は細胞と細胞を綱いて、その層の間に水分を挟みこむ働きをしています。

これが、肌のバリア機能を維持していますが、残念ながら、この肌のバリア機能は年齢とともに衰えていきます。

角質層の中で、水分やリピッド(細胞間脂質)、そしてNMF(天然保湿因子)など保湿成分のバランスが取れていると、肌はしっとりうるおいがあり、美しい状態を保っています。
水分が足りなくなると、肌が乾燥して、ごわつきや肌荒れを起こしやすくなります。

健康な肌は、弱酸性

pH7が中性で、0に近くなるほど酸性が強く、逆に14になるほどアルカリ性が強くなります。

肌がアルカリ性に傾くと抵抗力が弱まり、細菌が繁殖しやすく、敏感肌の状態になってしまいます。

スキンローションの多くは、肌のpHを弱酸性に整える働きがあります。
皮脂膜の働き
肌の表面では、汗と皮脂が混じりあい、天然のクリーム(皮脂膜)をつくっています。この皮脂膜はNMF(天然保湿因子)とリピッド(細胞間脂質)とともに、角質の衰亡蒸発を防いで、肌を様々な刺激から守ってくれます(バリア機能という)。

皮脂膜が少なくなると、つっぱり感やかさつき間を感じます。

皮脂膜の状態は、年齢、季節などの要因によって、変化していきます。

皮脂膜は天然のクリーム

水分の蒸発を抑え、肌の滑らかさと弱酸性の状態を保ち、外からの刺激(紫外線、暑さ、寒さ、チリ、ホコリ、細菌など)から肌を守り、肌トラブルを防ぎます。

皮脂膜が十分でないと、お肌のバリア機能が壊れて敏感肌になる可能性もあります。特に洗顔石鹸は皮脂膜を洗い流さないものを使いましょう。